株式投資戦略の中で非常に有効な手法でありながら、誤解されやすいのが「押し目買い」です。
「押し目」とは上昇トレンドの中で一時的に株価が下がったところのことです。
ですから、その後、時間がたって上昇トレンドに復帰すれば押し目ですが、下落が続いて上昇トレンドが終了すれば、そこは「押し目」ではなくて、「トレンドの転換点」ということになります。
いかにして「押し目」を正確に判定するかが「押し目買い」のパフォーマンスを左右します。
もちろん株式投資に100%の成功はないので、失敗を早く検知して売り逃げる技も大事になってきます。
また、「押し目買い」が成功したときでも、いつ売るのかという問題があります。
これは「トレンドが転換したらすぐに」というのが正解ですが、では、どのようにしてトレンド転換を判定するのか、という問題があります。
まず仕掛けに失敗しないためには、強い上昇トレンドの中の押し目だけで仕掛けるのが大切です。
勝率を上げたければ日経平均などの相場の指標も強い上昇トレンドにあることが必要です。
上昇トレンドの判定法
上昇トレンドの判定法のひとつとして3本の移動平均線を使う方法があります。
上から短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線の順になっていて、なおかつすべての移動平均線が右肩上がりになっているときに、強い上昇トレンドと判定します。
私は短期5日、中期20日、長期300日をよく使いますが、中期25日や長期250日などを使う方もおられます。
短い日数を使うほど利益率は高くなりやすいですが、勝率は下がることが多いと思います。
最近の日経平均は強い上昇トレンドと判定されるのはまれなので、中期移動平均線と長期移動平均線の順序が逆だったり、長期移動平均線が明確に右肩上がりになっていなくても、相場は上昇トレンドになると考えることもできます。
基準をきつくすれば勝率はあがりますが、仕掛けられる回数が減り、基準を緩めれば勝率はさがりますが仕掛けられる回数は増えるというトレードオフの関係になっています。
仕掛けポイント
押し目買いでの仕掛けポイントを設定する方法としては短期移動平均線からの乖離率を使う方法があります。
厳密にいうと、その銘柄のチャートを詳細に分析してトレンド転換しなかった押し目での押し率の最大値からある程度減じた値を乖離率として使うべきです。
ただ、長い時間範囲で分析すると、その会社の業績や株式市場内での立ち位置が変わっている場合があり注意が必要です。
短い範囲で分析すると統計的エラーに惑わされることになります。
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